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+dilagare+プチオンリー主催中。

女性向き(BL等)、腐女子向け。『家庭教師ヒットマンREBORN!』の二次創作が中心です。

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  • 2024/05/06/04:06

sistema di sposa

学園パラレル。
ちょい特殊設定あり。ボンゴレとか全然関係無いです。
リボツナ。ちょいシリアスで、ほのぼのと行けたら。

タイトルをクリックすると開きます。

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始まりの日



人を拾った。

 

沢田綱吉は孤児である。
両親は幼い頃に亡くなり、親類縁者は居らず孤児院に預けられた。
その孤児院も中等科を卒業と共に退院を余儀なくされたが、幸運な事に孤児院を運営する財団では、系列の高等科への進学を斡旋しており、この春に高等科へ入学する事が出来た。
進学自体は簡単な審査ですんだ。成績があまり重視されなかった事も幸いした。無論、条件は有り授業料等の在学中の諸経費は財団が負担するが、下宿での一人暮らしとその他もろもろの費用は自身で工面する事を架せられた。社会に出る前の準備として捕らえれば、何ら不満は無い。
高等科に進学できる事自体幸運なことだ。他の孤児院だったらそのまま、中等科卒業と共に社会の荒波に放り込まれていた筈なのだ。


その諸経費の費用を稼ぐ為の、アルバイトからの帰宅時にそれを見つけた。
財団から割り当てられた下宿の前に、見慣れない黒い塊が落ちていたのだ。
普段だったらそのまま通り過ぎていただろう。面倒事は好きではない。だが生憎、綱吉にはその黒い塊に見覚えが有った。

リボーン。

綱吉の通う学園の”アルコバレーノクラス”の一人。
裕福な家庭の多い学園でも特に資力があり、加え飛びぬけて優秀な能力を持つ特別な七人のためのクラス。年齢の枠も無いそのアルコバレーノクラスの中でも特に秀でていると言われるその人であったからだ。

リボーン自身とは面識は無かったが、学園に通う者ならば彼の事は誰でも知っていた。彼の一挙一足が常に噂になるくらいに。
リボーンについては、あまり良くない話も知り合いから聞いていたが、このままにしておく事も出来ない。第一に長い足が通路を塞いでおり、通るのに邪魔だった。

近づいて、声を掛けてみるが反応が無い。少し強めに揺す振ってみても起きる気配も無い。
触れた部分からは布越しにも熱が伝わってきており、発熱しているのが判った。
溜め息をつき、仕方無しに彼を半ば引きずるようにかつぎ上げ、自身の部屋に向かう。

病人をほおっておけるほど、綱吉は薄情には出来てなかった。

 

何とかリボーンを自室に引き入れ、布団を敷き寝かせる。シワになるといけないと思い着ていたスーツも脱がし、ハンガーに掛ける。
発熱時の処置は手馴れた物だった。孤児院に居た時も、子供達の処置をよくしたものだ。幼い子供達は熱を出しやすかった。原因は体調的なものだったり精神的なものだったり。
そのつど、綱吉は子供達に寄り添い手を握った。一人ではないと。
熱を出し、意識が朦朧とする時は人肌が恋しくなる事を経験上知っていたからだ。
特に、親の無い子供達は。

(ランボ、イーピン・・・どうしてるかな)

孤児院で面倒を見ていた子供達を思い出す。特に二人は良く熱を出し、綱吉の手をわずらわせたが、その甲斐あってか今では子供達の世話を任せられるまでになっている。

布団は一つしかない。夕食はバイト先で済ませているため、簡単に就寝の準備を整えるとリボーンの隣に潜り込む。彼にはこの際我慢してもらうしかない。

久しぶりに身近に感じる人の体温にホッとした。
高等科に入学して三ヶ月。少数だが友人もでき、慣れない一人暮らしとアルバイトにもようやく慣れた。
だが、初めての一人暮らしはやはり寂しかったらしい。孤児院では常に誰かが傍に居た。熱の高いリボーンの手を握ると、子供達を思い出す。
そして、綱吉もそのまま眠りについた。

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