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女性向き(BL等)、腐女子向け。『家庭教師ヒットマンREBORN!』の二次創作が中心です。

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  • 2024/05/19/05:01

Desideri, esso


まだ気だるい肢体をベットに横たえたまま、既に身支度を整えつつある相手を見つめる。
向けられた背に、寂しいと想う事すら贅沢だ。
ただ、こうして抱かれる事すら僥倖だと言うのに。



Desideri, esso(望み、それは・・・)




「いってらっしゃい、リボーン。気を付けてね」

身支度を整え終えた彼にそう言えば、わずかに目元を緩めて額にキスを落とされる。
この後のリボーンの予定は、綱吉自身が命じた事だ。ボンゴレ所属のヒットマンであるリボーンは仕事には忠実であった。
正直、情事の後にはゆっくりして欲しかったが、出発の時間が迫っているのにも関わらず行為をねだったのは他ならぬ自分自身であった。
また、今日の仕事を命じたのもドン・ボンゴレである自分自身。
自業自得というものだろう。

だが、一週間ぶりに逢ったのだ。
すっかりリボーン自身に慣らされた綱吉の身体は、久しぶりの彼の匂いに我慢が利かずに雪崩れ込んだ。
暗殺者という職業柄、リボーンは香りをまとわない。
香水やタバコ等の嗜好品はは一切排除していたし、それらの匂いが残らないように気を配っていた。だが、それでも微かに香るエスプレッソの匂いや、身に染み付いた硝煙の匂いは消せるものではない。それでも側に居るだけならば気付かないほど薄められたそれらだが、身を寄せ抱き合えばどうしても吸い込む事となる。
以前は許されなかったその位置に、受け入れられているという事実が綱吉を熱くした。
リボーンが居ない間は成りを潜めていた熱が身を焦がし、綱吉の理性を溶かしていったのだ。

昨夜の痴態を思い浮かべると、恥ずかしさで死にそうになるが相手がリボーンであるからして許容できる。
リボーンには良くも悪くも、隠す事は何も無い。既に、綱吉の全てをさらしているのだから。

 

リボーンとの関係が始まったのは、綱吉達がイタリアに来て少しした頃であった。

ボンゴレ十代目に就任して何とかボスとしての体裁が整った頃、家庭教師の任から離れる事を告げられた。
それまで四六時中側に居て、寝食を共にした相手が居なくなる。それは、イタリアに来るとき以上の衝撃を綱吉に与えたのだ。
大好きだった京子ちゃんと離れるとき以上の衝撃を受け、そして自覚した。

リボーンの事が好きなのだと。

綱吉だって悩みはした。
同じ男同士だし、リボーンとの年齢差だって10歳以上なのだ。
自分は女の子が好きだし、仕事で時折見かけるようになったリボーンの愛人だって綺麗な女性ばかりだ。
そう、リボーンには愛人か数多く居た。
四番目の愛人のビアンキは見知ってはいたが、それ以外の愛人も見事に美人ぞろい。聞けば頭だって良いらしい。マフィアのボスからもぜひ妻にと、声が掛かるほどの上等な女性達ぞろいらしいのだ。
そんな彼女達が愛人に甘んじ、愛を捧げている男がリボーンなのだ。

改めてリボーンの凄さに感心すると共に、想うだけなら自由だろうと開き直ってしまった。
人間、あまりに掛け離れた存在を目の当たりにすると、望むことすら諦められてしまうものらしい。元より男同士。性に対して淡白な性質であった綱吉は、想う以上の行為が想像出来なかった事もある。
それに、綱吉の家庭教師から外れるといってもリボーンはボンゴレ所属のヒットマンだ。アルコバレーノという特殊な立場だが、ボンゴレ・ボスが命じれば依頼は受けるし、畑違いの護衛だって引き受けてくれる。
側でこっそり見つめていられればいいやと思っていた。実際、それだけで幸せな気分にひたれたのだ。
屈折十年。好きだった京子ちゃん相手にも見つめ続けるだけで満足していた綱吉にとって、それは苦でもなんとも無かった。

だが、今回の相手は読心術の使えるリボーンだった。
こちらの想いは筒抜けだったらしい。

リボーンを護衛にしての執務室での仕事中、いつものように(リボーンの事、やっぱり好きだなー)と思っていたら、いつの間にか直ぐ側にまで近づいてきていたリボーンに戯れに唇を奪われた(しかもファーストキスだった!)。
そして、あれよあれよという間に押し倒されて抱かれていたのだ。
余談であるが、綱吉はこの時初めて同姓同士でも性行為が出来るという事を知った。

初めてだというのに、リボーンを自身の中に受け入れて思う様喘いだ記憶はある。
・・・リボーンはそちらの方面でも一流だったのだ。
無論、好きな相手にされているという事も、ツナに快楽を与えた一因であろう。

それ以来、ツナはリボーンへの想いを隠さなくなった。
どうせ隠しても解かってしまうのだ。ならば隠すだけ無駄な努力である。

リボーンが綱吉を抱く気になった理由は解からなかったが、大方の想像はつく。
気まぐれと、好奇心と、同情だろう。
美しく賢い愛人が多数居るのに、平凡顔で貧相で物覚えの良くない自分を抱くなどそれ以外考えられない。リボーンはいつもその時の気分で行動を決めていたし、新しい知識をいつでも得ようと行動していた。後は、たまたま何年も同じ部屋で寝食を共にしていた相手が懸想してきている。その時、下がりがちだった作業効率を上げる為にも一番良い方法と判断したのだろう。
事実、その後の綱吉の仕事ぶりはすさまじかった。

気まぐれと、好奇心と、同情ゆえの行為。

それでも綱吉は嬉しかったのだ。
リボーンが綱吉を抱いてくれる事が。普段、乱れる事のないリボーンが綱吉の中に押し入った時に、汗を流し快楽を感じてくれる事が。
それだけで満足だった。
だが、人間というものは欲望に際限が無い。

初めは抱いてもらえるだけでよかった。
何が良かったのか、それ以来リボーンは何度もツナの寝室に足を運び、抱いてくれた。情事後、直ぐに出かけてしまうため朝を過ごした事は無かったがそれでも良かった。
だが、年を重ねるにつれ物足りなくなっていく。
リボーンはツナが求めれば答えてくれるが、それだけだ。
求めなければ、リボーンは何も与えてくれなかった。

綱吉はリボーンに求められたかった。

リボーンを愛する事を許され、リボーン自身の意志で愛をあたえられるそんな存在。
そう、綱吉はリボーンの愛人になりたかった。
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何とか始動。
締め切り目指して頑張るぞー!

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