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+dilagare+プチオンリー主催中。

女性向き(BL等)、腐女子向け。『家庭教師ヒットマンREBORN!』の二次創作が中心です。

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  • 2024/05/19/04:57

ragione di pregare per


欲しいものは何?
そう問われれば、真っ先に出てくる答えが「リボーンの愛人と言う立場」であった。
大それた望みなのは解かっている。だが、望むだけなら自由であろう。
綱吉はそう考えていた。
 

ragione di pregare per(願う理由)




翌日、起床時間に起こしに来てくれた隼人に礼を言いつつ身を起す。
事後に、動けない綱吉の代わりに残滓はリボーンが綺麗にしてくれるとは言え、情事の跡はどうしても残る。リボーンに快楽を注がれた身体は艶めいていたし、何より寝着の間から覗く鬱血痕が物語っていた。
それでも優秀な右腕は、頬を染めつつも何も言わずに綱吉の身支度を手伝ってくれる。友人でもある獄寺に身支度を手伝わさせるのは未だに抵抗はあるのだが、カフスやらの細かい装飾品を一人で身に付けられない為、しぶしぶ受け入れるほか無い。
こう言った装飾品類は、自分で身支度を整えないで良い身分だという証明であるため出来なくとも問題は無いのだが、申し訳なく思う気持ちは止められない。
なにせ綱吉は平凡な一般家庭に育っているのだ。
上げ膳据え膳はどうしても慣れない。
だがドン・ボンゴレと言う立場上、避けては通れない。
せめてと、もう少し情事の痕跡を無くせないかとリボーンに言ってみたのだが、その分濃厚な夜を過ごされた為、諦めた。

・・・何せ、翌日起き上がることさえままならなくされたのだ。
その上、勘違いした隼人が医師団を召集しようとするし、真っ赤になりながら何とか事の次第を説明した後も食事の世話やらなんやらと気を使われて、非常にいたたまれない思いをした。
その日、出かける約束をしていたザンザスはキレるは、ボスと右腕が不在の折に、たまたま本部に来ていてこれ幸いと業務を一手に請け負わされた恭弥が殴りこんでくるわで大変だったのだ。
もちろん、リボーンはとっとと居なくなっており事態の収拾は全て綱吉が行った。無論、動けるようになってからの為、散々暴れまわられた後始末に苦労した綱吉は、二度とこの件についてリボーンに頼まないと誓ったのであった。

 

身支度を終え、朝食を食べながら本日のスケジュールを聞く。
テーブルの上には、前日、リボーンが戻って来ていた事を知っている隼人が半熟卵のスクランブルエッグにトロトロに煮込んだ野菜スープ、摩り下ろし林檎のジュースと消化の良いものを用意してくれていた。
あまりの気の使いように、何度目か解からないいたたまれなさを感じるが正直、非常に助かる。ほぼ一晩かけて翻弄された身体は、数時間の睡眠では回復できないほど疲労していたし、喘ぎ疲れた喉はかすれてものを飲み込むのが辛いほどであったのだ。
感謝と申し訳なさを込めて隼人に礼を言えば、至極嬉しそうな笑顔を返される。
年を経ると共に落ち着き、貫禄をにじませる様になった隼人だが、こういったふとした瞬間に見せる表情は変わらない。


朝食後、執務室に向かうとそこには既にランボが控えていた。ドン・ボヴィーノからの親書を持ってきてくれたらしい。
昼になれば武が食事の誘いに来るだろうし、午後の休憩時には了平さんが鍛錬の誘いに来るかもしれない。骸はたまにしか現れないが、他の守護者が居ない隙を見計らってお茶を飲みに来るし、恭弥は抗争の種を見つけてはふらりとやって来て、たまに気が向けば業務の手伝いもしていってくれる。
そのまま穏やかに一日が過ぎることもあれば、運悪く口論になり喧嘩が勃発する事もある。
中学の時と変わらない日常。
だが、そこに一つだけ足りないものがあった。

真っ黒で物騒な赤ん坊。
一番最初に綱吉の側に来て、一番身近に側に居たリボーンが居ない。

元々、綱吉の家庭教師を辞した時からあまり本部を訪れる事が少なくなったリボーンだったが、綱吉と関係を持って直ぐから用が無い時以外は寄り付かなくなったのだ。

何年も前、日本の並盛の家で過ごした騒々しくも穏やかな時間を想うと、胸が苦しくなる。
あの頃は気が付けば直ぐ側にリボーンが居て、騒動に巻き込まれつつも「リボーン!」と呼べば「何だダメツナ」と呆れながらも答えてくれる彼が居た。
あれから何年も経ち、赤ん坊は少年そして青年へ。
綱吉はリボーンの宣言どうりにマフィアのボスになり、何万と言うファミリーの命を預かる身となった。
昔と同じようには行かないだろう。

だが、時折思ってしまう。
もし、あの時綱吉がリボーンへの想いを自覚しなければ。もし、あの時綱吉がリボーンに抱かれなければ、彼は今までのように家族の様に側に居てくれたのではないだろうか。直ぐ側に居て、手は触れれずとも視界の端には必ず居て。
そうすれば、この時折訪れる寂寥感を感じずに済んだのではないだろうか。
何度、思ったか知れない。

それでも、綱吉はリボーンとの関係を終らせたいと微塵も思わなかった。
時計の針が元に戻らないように、一度関係した自分達が元に戻らないことを直感していたからだ。
戻らないならば、進めるしかない。
リボーンの愛人になる事が叶えば、また今とは違う関係に進めるかもしれないと綱吉は思っていたのだ。


+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
綱吉の想い。

願う理由

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