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女性向き(BL等)、腐女子向け。『家庭教師ヒットマンREBORN!』の二次創作が中心です。

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  • 2024/05/19/09:01

欲求不満のある一日

10年後ぐらい。就任直後ぐらい。 キーボに注意です。そして、ちょと、イヤかなり下品です。すいません;。

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散々、イヤだイヤだとゴネて拒否していたボンゴレ十代目に就任して一ヶ月。
「リボーン」
豪奢な執務室と年季の入った執務机には慣れないが、最強の家庭教師様にマンツーマンで教えを請い、ボスとしての英才教育を知らず知らずの内に叩き込まれていたおかげで、会話しながらでも仕事は順調に片付いていく。
「何だ」
たった一つの問題を除いて。
「腹減ったんだけど」


現在の綱吉のスケジュール管理をしているリボーンは間を置かずに答える。
「喜べツナ、次のスケジュールはアステーリア・ファミリーとの会食だぞ」
執務机の前に置かれた応接用のソファーに座り、リボーンも書類のチェックをしている。
「・・・食えんの」
ペンを進める音と、紙をめくる音が止む事は無い。
「会食だぞ。食いたきゃ食えばいい」
綱吉はペンを走らせる手を止めずに照準した後、ため息を吐く。
「アステーリア・ファミリーってアレだよね。ウチが代替わりしてから不穏な動き見せてる・・・」
「えれーじゃねーか、ツナ。よく覚えてたな」
リボーンに褒められる事は滅多に無いが、こんな事で誉められても嬉しくない。
「教えられる度に、ヒトデのオブジェやらマッズイヒトデ料理やら食わされればね。そりゃあね、厭でも嫌なイメージが定着するよ」
”アステーリア”とはヒトデの事である。
当時の状況を思い出すと、空腹もあいまって胸から厭なものがこみ上げて来そうになり、一瞬喉を詰まらせる。
因みに、目の前の先生は一口も箸をつけなかった。

「また食わせてやろうか」
出会ってから10年。死ぬ気でリボーンの読心術を回避する術を覚えた綱吉だが(そうと知れた時、誉めるどころか盛大な舌打ちをされた)、表情の豊かさと付き合いの年数故に未だに大まかな思考は読まれてしまう。
「遠慮します!・・・あぁもう、アステーリアって事はまた、ごはん食べられないじゃん!!」

綱吉のような就任したばかりの新米ボスは、敵が多い。
敵対ファミリーやギャッバローネ等のよっぽどの親綱吉派以外との食事は、毒殺などの危険が多い為少し、手を付ける程度にするように家庭教師様に教わっていた。
「だから、食いたきゃ食えばいいぞ。ま、せいぜい一ヶ月間腹を壊すか、数日血反吐垂れ流すかくらいだろう」
そうなったらそうなったで、また一歩おいしい食事から遠のく事になる。仕事は待ってはくれないし。

「遠慮します。それ以前に、慣らされた量以上の毒を摂取したら、お前に死ぬような目に遭わされんだろうが!!」
もう既に、一度経験済みである。
「わかってんじゃねーか」
そう言い、直ぐ手に取れる位置に置かれていた愛銃を撫でるリボーンの表情は楽しげだ。どうせ、前回の事でも思い出しているんだろう。

「ああもう!いい加減、まともな食事ぐらい取らせてくれよ!朝食は幹部連中との顔見世を兼ねた打ち合わせで終わって、昼食は敵ファミリーとの会食。そして夜は人の入り乱れるパーティー!物がまともに食える機会なんて無いじゃん!合間の仕事は減ってくれないし!就任してからここ一ヶ月、まともに食べたのなんて日本から持ってきたカロリー○イトぐらいで、腹へって死にそうだよ!!!」

イタリアに着てから知った事だが、守護者はボス直属の部下として存在し、ファミリーの幹部はそっくりそのまま先代のを引き継ぐ形になるらしい。唯一、獄寺だけは血縁ということもあって、次期アンダーボスとして幹部入りしていが。
その為、ファミリー幹部との親交はボンゴレを動かす上で、重要な位置を占める。

就任する前は、もう少し余裕が有った。
今よりも時間的に余裕の有った獄寺くんも、気を使って軽食を用意してくれたり、山本も日本食を作ってくれたりしてここまで空腹になることはなかった。
ピンときて、非常食を大量に購入しておいて良かった。超直感万歳。

「カ○リーメイトなんざ持ち込んでやがったのか。まあ、今回はしかたねぇ。許してやるが、次からは、市販のもんでも気をつけろ」
「ありがとさん。そこまで気にしてたら餓死しちゃうよ!」
常日頃、口に入れる物には気を付けろと言われている。日本で購入した物とはいえ、気にしてはいたのだ。咎められなかった事にホッとしつつも、だが洒落ではなく餓死しかけた事への反論はさせてもらう。
「安心しろ、ブドウ糖の点滴の用意は出来ている」
点滴かよ!
あまりの答えに、ちょっぴり字が歪んでしまった。
「その前に食わせてよ!イタリアって言ったら、ピッツァの国だろ!スパゲティーの国だろ!!あつあつで程よくモッツァレラが溶けたマルゲリータや、卵でふわふわしたカルボナーラはどこいったんだよ!!」
「街行きゃ有るな」
そりゃそうだ。
「行かなきゃ無いんなら、無い同然だよ!!鳥レバーやオリーブのペーストが乗ったクロスティーニ、ポルチーニとトマトのパスタ、木曜日のニョッキ!今ならフルコースでもいけるね!!いい加減何か食わせろ!!」
先日、最後のカロリーメ○トは食べ終わってしまっていた。
限界である。
ついには、ペンを走らせる手を止めて、家庭教師様に向かって喚いてしまっていた。

そんな綱吉の様子を見て、リボーンも書類をめくる手を止める。
「・・・・・・解った。そんなに食いたきゃ、特別に俺様の特性ヴュルステルを食わせてやろう」
ヴュルステル。たしかソーセージやホットドックの事だったはずだ。
この際食べられるなら、何だろうと文句は無い。
「本当に!?リーボン特性ってとこが気になるけど・・・」
「安心しろ、クリームソースもたっぷりと添えてやるぞ」
「ぶっ!!」
そこまで聞いて、特性ヴュルステルなる物が何を指すのか気付きたくないが、気付いてしまった。
「さぁ来い!めいいっぱい食わせてやるぞ!」
「ちょっっ!待て!!それ、違うのだろ!!!」
思わず立ち上がって突っ込むが、家庭教師様は止らなかった。
「今なら、出血大サービスで俺様手ずから食わせてやるぞ」
そう言うと、手に持ってた書類をバサリと置いて立ち上がったリボーンは、スーツの上を脱ぎ捨て近づいてくる。
「遠慮します!!っっくんなよ!」
本格的に身の危険を感じ逃げようとするが、座り心地はいいがバカでかいイスに阻まれ、逃げる事が出来ない。
「遠慮すんな、オレとお前の仲だろうが」
「いつそんな仲になったよ!」
リボーンとの距離はどんどん縮まり、わずかな抵抗の末捕まり、耳元で答えを聞く羽目になってしまった。
「お前を精通させた時から」
「ギャー!!!!言うな!!マジ止めて下さいリボーン先生!!!!」
思わずマジ泣きして、許しを請う。
「そんなに嫌なのか?」
「お願いです、すいませんでした。点滴でも何でも我慢しますから!!」
もうこうなったら、なりふり構ってられない。
「・・・分かった。そんなに上の口が嫌なら、下の口で」
「何でそうなるかな!!!!」
全くである。
だがそこはリボーン先生。綱吉の下を手早く脱がしにかかる。
「ちょっ!!リボーン待っ!!」
ここまで来て、流石におかしいと思った綱吉は、リボーンの手を握りこれ以上動かせないようにする。
「チッ」
「チ、じゃねえよ!どうしたんだよりボーン、いつもはこれ程あらかさまじゃ無いだろ」
今までも、軽い冗談のセクハラ発言や下ネタを言われた事は有った。が、実力行使にまで出られたのは始めてである。
綱吉の真剣な眼差しに、しぶしぶながらリボーンは口を開く。

「・・・半年だ」
「は?」
「お前と同じで、オレは半年程まともな睡眠を取ってねえ」
半年というと、本格的な渡伊の日時が決まった頃だ。
「・・・マジで」
「マジだとも」
その頃からリボーンはイタリアと日本を行き来し、過激派組織の暗殺やら代替わりの為の根回し、守護者の教育から綱吉の護衛と最終調整に寝る間も無く奔走していた。
「獄寺が仕事を覚えれば、もう少し休めるんだが、今はな」
本来なら、ボスのスケジュール管理や指示書の作成は、アンダーボスの仕事であるのだが、獄寺はその仕事の引継ぎの途中であり、全ての作業には手が回らない。
唯一、ボンゴレの全てを把握でき、信頼できるリボーンがその代わりをしているのが現状である。
「そっか」
守護者達も、前守護者から教えを請うたりとそれぞれが全力を尽くしている。
今の状態はギリギリであり、休めとは言いたくても言えなかった。
「だからな、ツナ」
「うん」
「成長期の貴重な睡眠時間削って尽くしてるオレに、バージンくれてもバチは当んねーと思うぞ」

「いや、やっぱりいっぺん休んで来い!!!」


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食欲・睡眠欲・性欲の三大欲求。
・・・ほんと、色々とゴメンナサイ。
でも、書いててすっごく楽しかった。いいなキーボ。書きやすい。
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