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女性向き(BL等)、腐女子向け。『家庭教師ヒットマンREBORN!』の二次創作が中心です。

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  • 2024/05/19/04:57

キスで始まる疑惑と懊悩


十年後ぐらい、リボラン?とツナ。

以前少しの間UPしていたものに、少しリボツナ色を強くしてみました。
少々危険表現があるため、読む際は気をつけてください。

2007/12/19 初稿
2008/07/12 加筆修正。

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ボンゴレ・ファミリーのボス、沢田綱吉は溜め息を吐いた。

いつもの午後、いつもの様に書類を片付ける傍ら、執務机の前に置かれたソファーの上では、いつもどうりにリボーンとランボの喧嘩が繰り広げられていたからである。
喧嘩、否、痴話喧嘩を繰り広げていた。

毎回のことなのでいい加減慣れてきたが、何故に毎回綱吉の目の前で痴話喧嘩をするのか、この二人は。
いや、解っている。
綱吉の警護を請け負うリボーンが、執務室のソファーに座っている事が当然と言う事も。そこにボヴィーノ・ファミリーとの橋渡しとしてランボが綱吉の元を訪れ、リボーンと会い喧嘩を始めたと言う事も。
いつものパターンだ。


二人が恋愛関係にあることを綱吉は知っている。
いつ頃からか、ランボのリボーンを見る視線の中に熱が混じりはじめ、戸惑う綱吉を面白がるようにリボーンが目の前でランボにキスを仕掛けた。
これで気付かない方がおかしいだろう。
それ以来、隠す必要も無いとばかりにランボが来る度の執務室での痴話喧嘩は恒例になった。
内心ランボがいざという時の仲裁役兼盾を綱吉に期待して、この場を離れないという側面もある。実際、綱吉の前以外での喧嘩は、大概喧嘩別れで終わるらしい。
以前、ランボが来たからとリボーンに休憩を促したら、当のリボーンより先にランボが強固に反対したため疑問に思い、こっそり後で聞いたら白状した。

子供の頃からランボは、綱吉を自分の保護者として認識している節が有った。
幼い頃から共にすごし、イーピンとのケンカの仲裁から日常の世話、ランボの行動にキレる隼人を宥めたり、リボーンの暴挙をいさめたりしていたためだろう。
そうしてランボは、綱吉の前で思う存分暴れてリボーンに突っかかり、綱吉の前で玉砕し泣き出したり十年バズーカを撃ったりをしていたのである。
逆に、綱吉の感知しない二人のケンカを知らないぐらいに。

そして、その認識はランボの保育係がフウ太に変わり、綱吉がボンゴレ・ボスになり、リボーンとランボが恋情を挟んだ関係に変わった後もこうして続いているようである。
良い迷惑だが。


それにしても毎回、よく飽きもせずに喧嘩するものだ。

些細な事でランボがリボーンに怒る。
険悪な雰囲気になる前に綱吉が仲裁をする。
そして、綱吉の仲裁を受け入れたリボーンが面倒そうにランボにキスをして仲直り。
これが毎回のパターン。

リボーンがランボにキスをする際、こちらに目線を向けて目尻を下げるため、リボーン自身も綱吉の仲裁を望んでいたのが解る。
面倒な二人である。

しかし、ランボもランボだ。つい数分前まで涙を流すほど怒っていたのに、リボーンの口付け一つで元通り。
ハッキリ言って、根本解決になってないんじゃないか?だから毎回同じ事をくり返すのか・・・。

また、溜め息を吐く。

「ツナ。溜め息を吐くと幸せが逃げるぞ」
唇の端を上げたリボーンに言われる。
「マフィアのボスに成った時点で、俺の幸せは逃げてるよ」
そう言って天井を仰ぐと鼻で嗤われた。
あぁ、もう今日は休みにしよう。こんな状態で仕事をしても能率は下がるだけだ。こちとらマの付く自由業。少しばかりの融通どうとでもなる。優秀な右腕に感謝。

「今日はもうおしまい。二人ともコーヒーで良い?」

ダメツナめ、と聞こえたが無視して机の上を片付ける。銃弾が飛んで来ないという事は休むのに問題は無いという事だ。改めてリボーンの許可が下りたところでキッチンスペースに行き、慣れた手つきでエスプレッソを二人分いれる。
コーヒー=エスプレッソのこの国に来て、一番最初にリボーンに叩き込まれたこの技術は、下手なバリスタよりも自信がある。
だがどんなに長くこの国に住んでも、リボーン達のように濃いエスプレッソに慣れないため、自分の分は紅茶にする。
淹れ終わったコーヒーと紅茶、茶菓子にハルお薦めのクッキーを持ってソファーに行く。おっと、砂糖も欠かせない。

テーブルにカップを置いて、二人の向かい側に腰を下ろす。
仲直りのキスの後のため、ランボは機嫌良くピンク色のオーラを振りまいてる。本人は隠しているつもりだろうが、上気した頬と潤んだ瞳を見ればまる解り。
デレデレ一歩手前のツンデレめ。目の前で痴話喧嘩されるのも気になるが、これもこれでちょっとウザイ。

「ランボ、キス一つではぐらかされて、良いの?」
紅茶のカップを手に取り、半ば呆れながら聞く。

ちょうどエスプレッソに砂糖を入れる途中だったランボは、その姿勢のまま真っ赤になってうろたえだした。

「え・・・あ、その・・・ボ、ンゴレ」
今までリボーンと熱烈なキッスを交わしていたと言うのに、この反応はどうだろう。落ち着こうとしたのか、そのまま砂糖を入れ忘れたエスプレッソを飲んでさらに涙目になっている。
動揺するぐらいなら、目の前でキスなんてしてんじゃないとも思うが、ランボだから仕方ないだろう。
そのまま見つめていると、顔を伏せながら上目遣いでこちらを伺ってきた。
ちょっとかわいい。
リボーンが虐めたくなる気持ち、解るなー。

「オイ」
リボーンの不機嫌そうな声に、我に返る。
ごめん。
そこで、ようやく消え入りそうな声で、ランボが答えてくれた。
「だって・・・リボーンのキスは、上手すぎて、何も分かんなくなるんだもん」
”分かんなくなるんだもん”て、お前、幾つだよ・・・。未だに未熟な自称ヒットマンの成長を本気で心配しかける。
だが、ランボの台詞に、別の部分で好奇心が頭をもたげた。
性関連の教育は、大まかな知識はリボーンに教わったが、実地は高級娼婦のお姉様方に教わっていた。(その内の何人かは今でも綱吉の愛人を務めている)
だから、リボーンの技巧は知らなかった。

「そんなに上手いんだ・・・」

そう呟いてカップを置くと、興味が引かれるままに席を立つ。
リボーンの座る側のソファの肘掛に腰を降ろし、腕をリボーンの首に絡める。
ここまですれば、綱吉の行動の意図は解るだろうが、拒絶はされなかった。
次に思い切って唇を触れ合わせると、かえって面白げな視線を帰された。
(大丈夫かな…)
最近では綱吉から触れる事も多少許されるようになったが、幼い頃の記憶ゆえ緊張はする。ましてや、こんな近くで触れ合う事は初めてである。
リボーンの様子をうかがいながら、舌で普通より体温の低い彼の唇をチロリと舐める。
開かれた。
良かった。拳は飛んでこない。
安堵して目を閉じると、互いの舌を絡み合わせた。

隣でランボがうるさかったけど無視した。たまには、目の前で男同士がキスするのを見る側にまわってもらってもいいだろう。そして、もう少し控えてもらえるとありがたい。
そうして数分。

ちゅう

と、音をたてて唇が離れる。
間を銀糸がきらめいた。お互いの息は荒い。
チッと舌打ちすると、唸るような声でリボーンが聞いてきた。
「テメエ、どこでこんなテク覚えて来やがった」
「どこって、接待?」
俺の技巧も中々なもんでしょ?高級娼婦のお姉様方と接待相手に培われたキスは伊達じゃない。
でも、さすがリボーン。今まで受けた誰よりも上手かった。確かに、まだ初心そうなランボなんてひとたまりも無いだろう。
そう納得し席に戻ろうとするが、腰が抜けていて立てそうになかった。
・・・さすがリボーン。
「簡単に男にキスしてんじゃねえよ。勘違いされたらどうすんだ」
苦々しそうに言われる。悔し紛れに言ったんだろうが、さすがにそれは無い。
「まさか!普段は男となんて仕事でなきゃしないよ!今回は何て言うの、好奇心?」
俺の言葉に、リボーンの動きが止った。
好奇心、て言ったのが気に障ったのかと思ったが違った。
「仕事って、どういうことだ」
そっちか。
「どうって、そのまんまだよ」
あんまり喋りたい事ではない。だが、目線で詳しく話せと言われたので、仕方なく口を開く。ちょ、リボーン。話すから、銃を出すのはやめてくれ!!

「会合とかで同盟ファミリーのボスやなんかと食事するだろ。その後、飲み直そうってことになって、大きなベットの有る部屋に連れ込まれる。で、まずキスされるから答えなきゃいけないだろ?リボーンもいってたじゃん。とりあえず、寝首掻かれないように注意はしてヤっとけって」
据え膳喰わぬは男の恥とまで言われた。
「男、相手にか?」
リボーンの硬い声音に身を強張らせながら、正直に答える。
「大概、そうだけど」
実を言うと、愛人との逢瀬以外では男性相手のが多かった。基本はノーマルだが、ファミリーの為と思って我慢したのだ。
「・・・今までずっとそうだったのか?」
思案するような表情の後に、いつに無い真剣な声で聞かれる。
「そう・・・だけど、何か問題でも有った?」
リボーンは教え子の不思議そうな反応に、奥歯をかみ締める。
問題?おお有りだ。揃いも揃って同盟ファミリーの野郎や、今までの取引先の相手がドン・ボンゴレである綱吉を慰み者にしてやがったなんて。
リボーンはこれでも綱吉を大事にしてきたのだ。マフィアと言う裏社会の中でもツナ本来の健やかさが損なわれないように細心の注意を払ってきたといっていい。それがいつの間にかリボーン以外の人間に綱吉が穢されていたのだ。
イラつかない訳が無い。
半ばキレかかた脳内でリボーンはすばやく、近日中に実行すべき暗殺リストと暗殺内容を組み立てる。綱吉を一度たりとも辱めた相手を生かしておく訳にはいかない。
だがどうして今までオレが気付かなかった?
そう思いながら、必要なことを聞き出す為に口を開く。
「今だに有るのか?」
綱吉は眉をひそめながら、話を続ける。
「今は断れるぐらいには力を付けてきたからね。どうしてもって時にしかないよ」
きもちは良いが、あまり気分の良いものでない。誘いを断れるぐらいの力を付けるため、必死になって頑張ったのだ。
「出来無くはないけど、さすがに頻繁にオッサンを抱きたいもんじゃないもんね」と続けるとリボーンの目が見開かれる。動揺を悟らせるなんて珍しい。

「抱く?抱かれるじゃなくて?」

そんな言葉に、綱吉はリボーンのすぐ傍だというのに大声で喚いてしまう。
「なんで俺が抱かれなきゃならないのさ!!誘ってきたのはあっち!だから誘われた俺は抱くしかなかったの!お前だって言ってたじゃないか。誘われたら抱いてやるもんだって!」

耳元がうるさかったが、今はそんな事問題じゃない。
ああ、確かに抱いてやれと教えた。・・・女相手に対してだが。
リボーンは胸を撫で下ろしつつ、どこで教育を間違ったか悩んだ。
いや、ある意味有ってた。
むしろ教え子の成長を喜ぶべきか。
何だこの目頭に込み上がる熱は。
ランボは隣の席で真っ赤になったり真っ青になったりに忙しい。

とりあえず、ボンゴレ・ファミリー(同盟ファミリー&取引相手)は今日も安泰らしい。

++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
はい!
と言うわけで、攻めツナでした(笑)。
途中までリボ様と一緒にヒヤヒヤしていただけたら、しめたものですv。

リボランはこの辺りくらいが限界かな・・・;;。

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