忍者ブログ

+dilagare+プチオンリー主催中。

女性向き(BL等)、腐女子向け。『家庭教師ヒットマンREBORN!』の二次創作が中心です。

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

  • 2024/05/19/06:35

手と手を取り合って


リボーン&コロネロ→スカル×ツナ

ペーパー№1からの再録。
もし何もかも捨てて逃げるとしたら、相手はスカルだろうな・・・との妄想から。

拍手





手に手を取り合って、逃げよう。

何もかも放り出して。

許される事じゃないのは解かっている。

けれども、


俺たちには、あの世界は  ツ ラ ス ギ タ 。

 

 

 

 

その日、偶然が重なった。

いつもなら背後に控えてるはずのリボーンは仕事に行っていて居らず、代わりを頼まれていたコロネロも緊急の呼び出しで席を外していた。
右腕の獄寺も最近終息した抗争の後始末に忙しく、山本は日本の支部に視察に行っていた。
そんな中、カルカッサの軍師・スカルが報告書をたずさえて綱吉の元に来たのだ。
カルカッサとは表向き対立してはいるが、水面下では密に連絡を取り合いマフィア界のパワーバランスを調整していた。
ほとんどの構成員には知らされていないが、側近の者たちにとってはスカルの訪問は珍しい事ではない。むしろリボーンとコロネロ、ボンゴレの両腕と称される獄寺と山本が綱吉の側にいない今、スカルの訪問は歓迎された。
外部からの訪問者がいる時は護衛に雲雀や骸が呼び出されるのだが、綱吉の影響でアルコバレーノに対する信頼が他のファミリーよりも強い綱吉の側近達は両名の呼び出しをしなかった。
アルコバレーノ・スカルならば問題は無いと。
そのため、綱吉とスカルは二人っきりで逢う時間ができた。

二人っきりの執務室で、目が合った瞬間に解かり合った。
綱吉の切望を。
スカルの渇望を。
普段ならばリボーンやコロネロが警戒を怠らないため、二人が直接言葉を交わす機会は無く、また二人が本心をさらす機会も無かった。だか今、この部屋には二人以外には誰も居ない。偽る必要も遮る者も何も無かった。
二人とも、感じていたのだ。常に張り巡らされていた監視の目を。
綱吉を縛り、離さない存在を。言葉さえも遮り、触れ合う事を良しとしなかった二対の存在を。
だが、今は居ない。
彼等の代わりとなる者も、側にいない。
こんな機会は二度と無い。
その事は、二人が一番理解していた。
今を逃せば、目を合わせることや言葉を交わすことも望めない。
これが最初で最後の機会なのだと。
二人はどちらともなく歩み寄り、手を伸ばす。
互いの手を繋ぎ握り締めると、扉を開けた。

 

 

 

その報告を受けた時、リボーンは本部への帰路の途中であった。
心のどこかで感じてはいた。いつかこんな日が来るであろう事は。
その為、警戒して少しでも二人が接触する機会を減らしていたのだ。
常に綱吉の傍に控え、威嚇していた。
もっとも、今回の事でそれも徒労に終わったのだが。
この十年で、綱吉はリボーンの読心術を回避する術を身に付けていた。だが、常に一番綱吉に近い位置で彼を見てきたリボーンには分かった。
綱吉がマフィアの世界に疲れ、安息を求めている事を。
その安息を、スカルに求めていた事を。
リボーンは知っていた。
綱吉の苦しみも、怒りも、喜びも、救いも。
しかし、リボーンはリボーンでしかない。誰よりも闇に染まり、誰よりもアルコバレーノであった。マフィアの世界から抜け出す事など到底出来ない。そのため、リボーンには綱吉を縛り付ける事しか出来なかった。
綱吉が自分と同じ想いを決して返してくれないだろう事も解かっていた。それでも、手放す事は出来なかった。初めから、綱吉を自分から解放させると言った選択肢も持つ事は出来なかった。それは、コロネロも同じだった。
ボンゴレという檻に閉じ込め、逃げ出せないようにする。
自分の庇護という名の束縛に、それでも綱吉は疲れた笑みをこぼしながらも感受してくれていた。リボーン自身、綱吉にはかなり辛い思いをさせている事を自覚してはいた。綱吉の優しさに甘え、綱吉の気持ちに気付かない振りをして。
今まで、良く耐えていたと思う。
だがそれでも、スカルと逃げた事は到底許せるものではない。
本部に到着すると、コロネロが既に綱吉探索の指示を出していた。
到着したリボーンに気付くと、コロネロはすぐさま謝罪した。
「…すまん」
「お前が謝る事じゃねえ」
二人して綱吉の執務室に向かう。
そこには誰も居らず、置手紙一つ無かった。
本来なら、ここで綱吉が出迎えてくれるはずだったのだ。
だが、綱吉はいない。
スカルと共に、何もかも放り出し、古くからの友人も捨て、彼を必要とする者達を振り切り逃げたのだ。

「コロネロ、行くぞ」
「ああ。カルカッサには連絡済だ。スカルの捕獲には、生死の条件は付いてないぜ、コラ」
「あいつの事は気にするな。ツナの奪還のみに集中すればいい」
「そうだな、コラ」

目的は唯一つ。
綱吉を、自分達の手に取り戻す。
虹は大空に架かるものだ。大空なくしての虹など存在する価値は無いのだから。

「ダメツナが・・・」
俺達から、逃げられると思うな。

PR
<<< PREV  → HOME ←   NEXT >>>
 更新履歴
02/22 [ Other ] OFF活動
12/27 [ Other ] OFF活動
12/27 [ Other ] OFF活動
M E N U