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女性向き(BL等)、腐女子向け。『家庭教師ヒットマンREBORN!』の二次創作が中心です。

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  • 2024/05/19/07:31

風紀を乱すのは

雲雀+綱吉。
現在か数年後かあたりです。

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「ねえ」

珍しく、一人で居る時に風紀委員長様に声を掛けられた。(いつもなら二人以上で群れてたり、リボーンと一緒の時でないと掛けられないのにだ!)

「風紀が乱れるんだけど」
と言われて慌てて自分の服装をチェックする。
裾はズボンからはみ出し、襟元はボタンを三つ目まで外して開いてる。夏場の熱い盛りとはいえ、少し委員長様にとっては開放的すぎたかもしれない。
そう思い「すっっすみません!!!」と言い、あわてて着衣を正す。
これで大丈夫、と安心しかけた所でまたもや声を掛けられる。

「ねえ」
「はいぃぃぃっっ!!」(まだなにか!!!?)
着衣の乱れは直した。それ以外となると、姿勢か?いや、今は直立不動だ。一瞬リボーンへの伝言かとも思うが、その予想は直ぐに打ち消された。

「まだだよ、ついておいで」
(ひえぇぇぇーーー!!)

付いて行きたくはない。だが、言われれば付いていくしかない。委員長様に逆らうことイコール噛み殺される。並盛では常識である。今のところ自分が知る範囲で例外は、同じく恐怖対象である自分の家庭教師様ぐらいである。
そのリボーンが居ない今、委員長様の機嫌を損ねないことが第一である(神出鬼没な赤ん坊だからもしかしたら居るかもしれないが、救けてくれないなら居ないも同然だ)。
そんなわけで付いていく。
自分の何が”風紀が乱れる”に繋がるか分からないが付いていく。何がいけなかったのか。昨日食べた餃子か?そんなんだったら今頃、並盛ラーメン屋は壊滅している。じゃあ、何故だ!?いっくら考えてみても思い当たる節は無かった。

途中、何度も強面の風紀委員が頭を下げている横を通り過ぎる。「ちょっと気分良いかも」と思う余裕も無い。ツナにとってはただ恐怖の光景、しかも風紀委員長の雲雀さんに連行させながらである。泣きださなかっただけましである。いや、実はちょっぴり泣いていた。
これから起こるであろう恐怖を想像して耐えられなかったのである。
そして、悪い想像が駆け巡る中連行された応接室。
綱吉は最大級の恐怖の中にいた。

すなわち、恐怖の風紀委員長様、雲雀恭弥の膝の上に。

(な、な、な、なんなんだ)
何故こうなっているのか分からない。気が付いたらこう成っていた。
応接室のソファに座る雲雀の上に座っているのである。気付いたとたん、慌てて降りようとしたが、トンファーを向けられ降りる事は断念した。
こんな暴挙を侵していると言うのに、委員長さまの機嫌は悪くない。まったくもって訳が分からない。意味不明である。
挙句の果てには、草壁さんの用意した茶菓子を手にとって「んっ」と言って突き出してきたりする。
訳が分からない。
そのまま、その茶菓子のクッキーを見つめていると、眦をきつくした雲雀さんに、口の中に捻じ込まれた。
食べさせたかったらしい。
無理矢理突っ込まれた為、傷ついた歯茎から血を流しながらも咀嚼する。
菓子で怪我をするなど流石のダメツナでも始めてである。
何とか菓子を飲み下すと、もう一つ差し出される。
恐る恐る口を開けると、今度は丁寧に舌の上に置かれた。

「おいしい?」
血の味がする。
高級そうなクッキーは本来ならおいしいのだろうが、雲雀さんの膝の上と言う環境と歯茎の傷から今だ流れる血故に、血の味しかしないのだ。
だが、正直にそう答える事は出来ずに「はい」とだけ答える。
雲雀は「ふ~ん」とだけ答えると、自身も一つクッキーを口に含む。
「悪くないね」
どうやら、雲雀さんの口に合ったらしい。
ホッとしたのもつかの間、今度は紅茶の入ったカップを目の前に差し出される。
慌てて受け取ろうとすると、差し出した手を叩き落とされる。
そして、これもまた雲雀の手ずから茶を飲むと言う苦行を受けさせられる。
(何なんだこれ、新手の拷問か!!)
半泣きである。心の中で、助けてリボーン!!と何度叫んだか分からない。
だが助けは来ない。自力で抜け出すしか術は無いのか。
何とかこの状況を打開しようと、無い頭を振り絞り声を出す。

「あ、あの、雲雀さん」
そこで、ようやく雲雀が手に持っていたカップがテーブルに置かれる。
「何?」
「風紀の方は良いんですか?」
暫らくの沈黙の後「うん。今はね」と返される。
なら、この場から抜け出せるかもしれない。そう思い、勢い込んで「じゃ、じゃあ、俺はこれで・・・」と、雲雀の膝から降りかける。
だが、そう簡単には物事は進まなかった。
「何、おいしくないの?」
またもやトンファーを向けられ、硬直する。
「いえ!!そう言うわけでは!!」
しかも、何故おいしく無いに話が飛ぶのか分からない。
「じゃあ、もう少しこうしてなよ」
そう言われ、もう一つクッキーを口の運ばれる。
この訳の分からない状態を、雲雀はまだまだ続ける気らしい。

その苦行は、雲雀に連行される様を目撃者から聞いた獄寺と山本が、応接室に飛び込んで来るまで続けられた。

 

+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++

終わっとけ。
どこまでも鈍いツナとバイオレンスで何となく行動する雲雀さんが書きたかった


うん。雲雀さんも無自覚だといいな。

 


+おまけ+

雲雀の膝上に居る綱吉を見た獄寺と山本は暫し硬直した後、無言で各々の武器を取り出し、雲雀に向かっていった。
そして、雲雀はようやく綱吉を膝の上から放り出すと、嬉々として応戦して場は騒然となる。

ドッカン、バッキンと騒音が響く中、ようやく雲雀の上から降りられたツナは、放り出された際に打ち付けた尻を撫でながら、巻き添えを喰わないように四つん這になって、壁際に移動する。

(・・・俺が膝の上に居る方がよっぽど風紀が乱れると思うんだけど。)

そう思うが、楽しそうな雲雀の様子を眺めるうちに、只単に二人と遊ぶ理由が欲しかっただけなのかもと思い直す。
それにしても獄寺も山本も、自分は無事なのに何をあんなに怒っているんだか。

「・・・ダメツナ」
不意に家庭教師様の声が聞こえ、ビックリする。
「えっ!リボーン!?」
いつもと同じ無表情。だがかすかに呆れをにじませた表情のリボーンがいつの間にか隣に居た。
ほんとに神出鬼没の赤ん坊である。
「何やってやがる、とっとと帰るぞ」
そう言われるが、まだ獄寺と山本が雲雀と交戦中である。
「でも、」
「ボスの状態も判らない様な部下は、ほっとけ。お前は帰って勉強だ」
そして、そのまま首根っこをつかまれて引きずっていかれる。
応接室の爆音はその後も鳴り止むことは無かった。

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