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女性向き(BL等)、腐女子向け。『家庭教師ヒットマンREBORN!』の二次創作が中心です。

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  • 2024/05/19/07:13

inaspettato


ボンゴレの、嵐の守護者であり当代の右腕でもある獄寺隼人にとって、ボスであり敬愛する綱吉の望みを叶える事は、自身の望みでもあった。
たとえ、それが自分の意に反することでもあってもだ。

だが、これは予想外であった。



inaspettato(予想外です)

 

さらさらとペンを走らせる音のみが響く執務室内。
チラリと見上げれば時刻は午後の六時。
今回リボーンに依頼した仕事は簡単なものである為、あと数時間もしたら帰ってくるだろう。リボーンは任務への出立時と、終了時の報告だけは欠かさない。
その事につけ込んで、時々こうした短期の任務を与えてしまうのは姑息な手段だが少しでもリボーンとの接点を増やしたい綱吉にとっては懸命のアプローチの一つである。それ以外、リボーンが訪れて来てくれる理由が悲しいかな綱吉には思い浮かばなかったのだ。
その懸命につくった接点を少しでも長くするべく、綱吉は本日の業務を必死にこなしていた。
イタリア最大級のマフィアのボスだ。少ないとは言えない仕事量だが、頑張ればリボーンが帰ってくるまでには終えているはずであった。最近は、綱吉がリボーンとすごしたいが故に執務を頑張る為、ボンゴレの業務は少し先の案件まで処理済だったりする。
だが、綱吉が頑張れば頑張るほどリボーンは喜んでくれたし、頑張って次の仕事を片付けない事にはリボーンに新しい任務を与えられない。
次の任務が無ければ、リボーンとは次にいつ逢えるか解からないのだ。
いったん連絡が途絶えてしまうと、リボーンと連絡を得る事は難しい。
一応、綱吉はリボーンからプライベート用の電話番号を教えられてもいるのだが、リボーンと愛人の時間を邪魔する事が怖くて掛けられない。一度、どうしても連絡を取らねばならない時に勇気を振り絞って掛けた時、微かに聞えた女性の不満そうな声に、萎縮してしまったのだ。それ以来どんな用があろうともリボーンの番号に掛ける事を辞めてしまった。
リボーンの寵を得ている女性。
それだけで、綱吉にとっては誰よりも控えるべき相手であった。
それでも今まで何とかなっていたのは、重大な問題時にはそれとなく察したリボーンが自ら足を運んでくれたからに他ならない。

後もう少し、そう思っていた時に一回のノックだけで主が入室の許可出す前に、執務室の扉が開けられた。
ドン・ボンゴレ相手にそんな事をするのは限られてくる。
案の定それを許された内の一人であるリボーンが執務室に入ってきた。

「リボーン!!」

手にしていた書類をそのままにして、綱吉は立ち上がる。
まだ、リボーンに次の仕事を与えられるほどに仕事は進んでいないが、何よりも愛おしい相手の帰還である。
喜ぶなと言う事が無理である。
たとえ数時間前に逢っていたとしても、好いた相手だ。何時間共に居ても、居たりない。

「早かったね、リボーン。怪我は無い?」

首尾を聞くよりも先に、安否を確かめてくる綱吉に苦笑しつつもリボーンは答える。

「オレがヘマする訳ねーだろうが」

その言葉を聞いたとたん、心配顔だった綱吉がにっこりと微笑んだ。

「知ってるよ。でも、心配ぐらいさせてよ」

最強のヒットマン・リボーンにこんな口を利いて、許されるのは綱吉ぐらいだろう。
握り締めたままだった書類を置くと、リボーンに着席を勧めて綱吉は室内に備え付けられたエスプレッソマシンに向かう。
二人っきりの執務室、二人の間を隔てるのは執務机のみなのだが、その距離を縮めるのに毎回綱吉は苦心していた。
さり気無く、引き留めているのを知られないように着席を勧めてリボーン好みのエスプレッソの用意をする。
その行為は何年経っても慣れない。自分の浅はかな手管を自覚しているからかもしれない。それでも、無駄な足掻きとは思いつつもリボーンを引き留める事は辞められなかったし、側に寄る事も辞められなかった。
直ぐに出来上がった“急行”の意味を持つ飲み物をリボーンの前に置き、さり気無く隣に腰を下ろした綱吉だがリボーンの嗤う気配に頬を染める。
リボーンはこの、綱吉の拙い媚態に気付いているのだ。

「報告は聞かないのか?」

気付いていてこんな事を聞いてくるのだから、性質が悪い。
思わず上目使いで睨むが、威力は見込めないだろう。昨夜から今朝に掛けて、リボーンに愛された身体は未だに熱を持ち、綱吉の瞳を潤ませていた。

「解かってるくせに」

そう言えば、喉を鳴らすような笑い声のみが返される。
そのまま、腰を抱き寄せられて口付けを落されれば、後は夢中になるだけだ。
何度も、何度も角度を変えて口付けを交わす。
時折、撫ぜられる背や首筋に、ふるえが止まらない。
火が灯りそうな身体を叱咤して、これだけはとキスの合間に声をこぼす。

「リボーン・・・、好きだよ。愛して、る・・・愛してるよ」

たとえ、この言葉に返される事が無いと知っていても紡がずにはいられない。
言う度に激しくなる口付けに、切なくなりながらも互いの熱を確かめ合った。

 


執務室から漏れ聞える衣擦れの音に、当代の右腕はボンゴレ所属・最強のヒットマンの帰還を知る。
リボーンさんが一緒の時は、可能な限り二人っきりにするのは右腕としての仕事の一つだ。最近では忙しいようで、滅多に共に過ごす事の無い二人の時間を邪魔しない事は当然の責務。
綱吉のためならば隼人はなんでもする覚悟であった。
嵐の守護者であり綱吉の右腕でもある獄寺隼人とて、大勢居る綱吉に懸想する人間の一人でもあったが、彼にとって綱吉は恋や愛といった想いをいだく前に、尊敬し守護すべき相手であった。
また、一番近い場所で綱吉を見てきた獄寺は、綱吉が誰の事を想っているのかも知ってしまっていた。
獄寺にとって一番に優先すべきは綱吉であって、自分では無い。
その為、その綱吉が望んだ相手に対して不満等は無かった。相手が、あのリボーンだったこともある。
綱吉を見つめていた獄寺は同時に、常に綱吉の側にいて彼を影ながら守るリボーンを見て来ていた。その為、リボーンの綱吉に対する想いも行動の端々から感じ取っていた。
その為、二人の関係を疑問に思う事などなかったのだ。
リボーンが居なくなった後、残された綱吉が漏らした言葉を聞くまでは。

「リボーンの愛人になりたいな・・・」

獄寺が守護者全員に、緊急招集をかけたのは言うまでもない。
++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++

・・・進まない・・・。

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