忍者ブログ

+dilagare+プチオンリー主催中。

女性向き(BL等)、腐女子向け。『家庭教師ヒットマンREBORN!』の二次創作が中心です。

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

  • 2024/05/19/09:36

Non da solo

「風と雲と太陽と」の佐伯マルさんへの捧げ物ww。


数十年後。リボーンと綱吉。
※微妙な死にネタです。

一人ではない

拍手




 

弾を撃ちつくした後、額に炎を灯す。

綱吉の射撃の腕前は、最強のヒットマン仕込のものだ。一弾たりとも無駄にせずに標的を正確に、確実に仕留めていく。簡単な抗争なら、死ぬ気にならなくとも事足りる。
だが、今回は相手が悪かった。

ボンゴレ以外の全マフィア。
それが、今回の相手であった。

綱吉がドン・ボンゴレ十代目に就任して以来、ボンゴレの勢力範囲は格段に拡がった。
初めは誰もがジャポーネの坊やに何が出来ると侮っていた。しかし、的確な経営手腕、合法的な資金繰りに、孤児院への寄付などの社会貢献。それらを武器にボンゴレは静かに、だが確実に領地を拡げていった。
ボンゴレは理想的であった。過ぎるほどに。
弱気を助け、強気を挫く。
全ての住民に安寧を。
そんな事は不可能だろう。
だが、ドン・ボンゴレ十代目はそれを実行し、実現させたのだ。
まさにマフィアの鏡とも言うべきその手腕に、人々は尊敬を抱き崇拝者まで現れた。
しかし、それが畏怖の念に変わるのも早かった。

 

 

眉間にシワを寄せ、拳を振るう。
殺しは好きじゃない。だが、殺らなければ殺られるのは自分だ。
何人殺したか知らない。敵は無尽蔵に湧いて来る。
何せ、全マフィアが相手なのだ。
いくら死ぬ気の炎を使っているとは言え、次第に拳が重くなる。

何故。
襲撃されて以来、数時間考え続けていた。
それまでは順調に行っていた筈であった。完璧な家庭教師に育てられたのだ。自分の出来うる限りの最善を尽くして来た。
それなのに何故。
“過ぎたるは及ばざるが如し”
不意に、家庭教師の言葉を思い出す。
そうか。
多分、自分はやり過ぎたのだ。

 

 

雲行きが怪しい。雨が降らなければいいが。

炎の噴出を大きくし、ほぼ一帯を殲滅する。
これで、少しは時間が稼げるはずだ。

幸いだったのが、ほとんどのファミリーを逃がす事が出来た事だ。
流石に戦闘狂の恭弥は無理だったが、山本や了平さんは国外の任務と偽って出国させていたし、骸は元よりヴィンデチェの牢獄だ。隼人はDr.シャマルに半ば騙し討ちのようにして連れて行かせた。
ランボはまだ若い。それに、ドン・ボヴィーノが守ってくれるだろう。

一緒に襲撃を受けたディーノさんは大丈夫だろうか。
彼は綱吉をかばって、撃たれていた。
すぐに駆けつけたロッマーリオに彼を預けてきてしまった為、容態は解からないが意識はあったし、その場の襲撃者は引き付けたため、差し迫っての危険は少ないだろうが。


脇腹が熱い。
膝をつきそうになる足を叱咤して、あたりを見回す。
近くに高台の無い、平野が続いている。所々にコンクリートの大きな破片や産業廃棄物が見受けられるが、足場はそう悪くない。
少し、休めれるか。
だが、一歩を踏み出したところで勘が訴えた。
何か、いや誰かが居る。
気配は一分も感じない。
綱吉にすら気配を感じさせない相手に、背中を冷たい汗がつたう。
それと同時に背後でも複数の気配がした。
前か後ろか。
問われれば警戒すべきは確実に前者だろう。
だが、綱吉は背後の敵に拳を振るっていた。
それと同時に、気配無き相手の方向からも戦闘音が響いてくる。

(ああ、この発砲音は。)

背中に触れた、気配無き相手の体温に泣きたくなる。

「おまえ、なんで居るんだよ」

「だからお前はダメツナだって言うんだ」

今やドン・ボンゴレである自分を昔の愛称で呼ぶのは彼だけだ。
自身の家庭教師であったリボーンの、愉悦を含んだ声に長年の習性で警戒心を抱く。こんな声を出すときには毎回、無理難題を吹っかけられたものだ。
だが今はそんな事を気にしている場合では無い。
怒気を込め、リボーンにもう一度問いかける。

「何で、居るんだ」

リボーンは確かにボンゴレ所属のヒットマンだ。その事実は変わらない。九代目の時代から、また十代目である自分の時代も。
だが、彼は同時にアルコバレーノでもあるのだ。
マフィア界の宝でもあるアルコバレーノの彼は、選べたはずだ。
ボンゴレを捨て、生き残る術を。
実際、ここ数年彼はボンゴレの仕事をしていなかった。綱吉はそれを許容していたし、あえてそうするようにも仕向けていた。
彼はボンゴレに縛るべきではない。
だが、リボーンはそれを善しとしなかったのだろう。その答えが、これか。

頬に、水滴があたる。
雨が降り出したのだろう。

「・・・最悪」

リボーンなら、気付いている筈だ。
綱吉の脇腹から血が流れている事に。綱吉の命が、そう長くない事に。
そして、綱吉も気付いていた。自分以外の血臭に。リボーンの残りの弾が少ないことに。
だがリボーンは素振りで、いかにも楽しくてたまらないと言うように聞いてくる。

「反撃するんだろ?」

「ああ、するよ」

してやろう。
自分達の全てを賭けて。
おそらく、もう二度と自分達は互いに逢う事も、言葉も交わすことも出来ないだろう。
綱吉の勘は外れない。
自分達はここまでだと、解かっていた。

雨脚が強くなる。

土砂降りの雨に濡れた衣服が張り付いて気持ち悪い。だが、それ以上に流れていく血が止まらない事に気分が悪くなる。
だが今更、炎で焼いて止血したとて意味は無いだろう。
流れた血は元に戻らず、ここから逃げ延びる可能性は低い。それに、弾丸がまだ見の内にある。
ふと、マフィアのボスにならなければ鉛玉をくらう事なんて一生無かっただろうなと思い、笑いがこみ上げる。

「後悔、してるか?」

マフィアのボスになった事に?
「今更だよリボーン」

後悔なんてしない。
それに、一人じゃない。お前が、共に居るじゃないか。

「後悔、させてやろう」

そうだ。後悔するのは、彼等だ。

「誰に手を出したか、思い知らせてやろう」

ドン・ボンゴレとアルコバレーノ・リボーンが相手だ。

「楽に殺せると思うな」

簡単に殺れると思ったのか?笑止。


「それでこそ、オレの生徒だ」

リボーンのその言葉に満足して、拳に力を込める。
顔を上げるとそこには数百、いや数千の敵の群れ。


俺たちを、舐めるな。
++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++

マルさんの某作品を読んで「こんな話が書きたかったの―――!!!」と大興奮して書き上げた代物。
だが、此方は最後の方が正反対な結末。因みにネタ発生時のタイトルが「抗争で最後を迎えるリボツナ」。・・・穐吉の人間性が良く解かりますね!!(死にネタ・グロ・サド大好物)
貰ってくださると、寛大なお言葉を頂いたのでマルさんに捧げますww。

一周年と10万Hitおめでとう!と、今更ながらに言って見る(笑)。

PR
<<< PREV  → HOME ←   NEXT >>>
 更新履歴
02/22 [ Other ] OFF活動
12/27 [ Other ] OFF活動
12/27 [ Other ] OFF活動
M E N U